「ナオちゃん、あのー、つかぬ事をお伺い致しますが……」


「ん?どうしたの姫さん、深刻な顔しちゃって」


笑顔のナオちゃんはむっちゃくちゃ可愛い。だから、言いにくいからその顔で見ないで!


心の中でしばらく葛藤してみたものの、フレッシュな異臭への苦が勝り、ついに私はそれを尋ねた。


「あの、ですね……最近ナオちゃんのスニーカーから異臭がしませんでしょうか?」


思わず変に丁寧になってしまった私に、ナオちゃんはキョトンとした後、苦笑いをした。


「ゴメンゴメン!最近俺、学校の陸上部の助っ人に行ってるから」


「助っ人?」


私が再び尋ねるとナオちゃんがニコニコとした顔で頷いた。


そのニコニコ顔は、やっぱり計算しつくされていて、隙のない安定のあざと可愛さ。