「ナオちゃんはもう大丈夫?」


「俺は大丈夫。……昨日姫さんがキスしてくれたの覚えてるよ。すごく、嬉しかった」


改めてそれを言葉にされてしまうと、なんかスッゴく恥ずかしくなって、元々持っている熱とは違う熱にふらふらする。


「姫さん、俺の自業自得なのにホントゴメン」


ご飯を並べた後、ナオちゃんは私に小さくなってお辞儀した。


「もういいよ。ナオちゃん。私なんかより、ずっと傷付いてたんだから」


ナオちゃんのダックスフントみたいな柔らかい髪の毛をふわふわ撫でて、しゅんとしたナオちゃんに大丈夫だよ、と伝える。


「俺、姫さんしか見えてない。だから、もう悲しい涙は流させたくないんだ」


「……ふふ、ありがとう。私も、二度とナオちゃんを泣かせない」


お互いに思うことは同じで、視線が絡まると、自然と笑みが零れた。