ナオちゃんが悲しい瞳で私を見つめてる。このままナオちゃんを一人にしたら、きっと傷付くって分かってるけど、でも。


「……ゴメン。今は、ナオちゃんについて行く自信ないや」


私はナオちゃんを傷付けるのを承知で、自分が傷付かない答えを選んだんだ。


ゴメンね、ホントにゴメン。あれくらいのことを許せない、大人げない私でゴメン。


ナオちゃんはいつだって優しい男の子。それが、どんな相手にもってことは理解しているつもり。


だけど、私に一番でいてほしいんです。こう思うのは、私の我が儘だって分かってても。


どうしても、寛大な気持ちになることなんて、私には出来ないんです。


頭の中で分かっていることでも、心が上手く着いていかないんだ。