ナオちゃんとの夏祭りの為に、私は白に菫柄の浴衣を押し入れの奥から引っ張り出す。


高校生の時、お母さんが誕生日にくれた、かなり良い浴衣だから、ずっと大切似していたけどなかなか着れなかった逸品だ。


「姫さんに似合う、清楚な色の浴衣だね」


浴衣ではなく紺色の甚平に身を包んだナオちゃんが、私の帯を結んでくれる。


「浴衣着てもおっぱいが大きいんだねー姫さん最近、またおっきくなった?」


「ス、ケ、ベ」


私はナオちゃんにデコピンを一発喰らわせて、浴衣とお揃いの菫の飾りのついた簪を付ける。


「うーなーじっうーなーじ!」


……ナオちゃん、そんな可愛い顔でオッサンみたいにならないで。可愛くても引きますから!