でも、その、その言葉の意味が、もしも俺の自惚れじゃないなら。


「……それって、俺と姫さんの関係を認めてくれ、た?」


多分物凄い間抜けな顔の俺は、敬語すら忘れて、ぽかんと口を開く。


そんな俺に対して咳ばらいをしたお母さんに、俺は慌てて表情を締め直す。


「そう解釈していただいて構いません。だって貴方は、桶川家には欠かせない人ですから。私は家族には厳しいですから、覚悟して下さいね?」


言われた瞬間、凄く気持ちが飛び上がって、ついでに体も飛び上がりそうになる。頑張れ、重力。


「よっしゃ!」


だけど小さくガッツポーズをとって重力に一瞬勝って飛び上がってしまった俺に、桶川家の家族三人全員は笑い出す。


お母さんの笑顔を初めて見れて思ったのは、凄く姫さんにそっくりだってこと。


その綺麗で、だけど笑うと可愛くなる笑顔に、俺もだらしなく、頬を緩めてしまった。