車を運転すること30分程で、和風な外観の家に辿り着く。
こうやってちゃんと帰るのは、多分大学卒業以来、4年ぶりだ。
「さぁ、決戦の時ってな、ふはは!」
人事だからって楽しそうな智に軽くムカついて、思いっきり手加減なしに横腹を抓る。ついでにさっき蹴られた仕返しも込めて、そりゃもう全力で。
「イデデデ!」
「ナオちゃんだって緊張してるんだから煽んないでよ!デリカシーナシ男!」
智を注意しつつも、私はナオちゃんを気にして視線を移す。
やっぱり緊張してカッチンコッチンだよ。ナオちゃん、意外と緊張しいだからなぁ。
ああ……自分の親なのに、こんなにも会いたくないことってあるのだろうか。
でも、ここまで来たらもう逃げられない。溜息ひとつ落として、私はインターフォンのボタンに手を伸ばした。