『ピンポンピンポンピンポーン!』と連打されるチャイムに、私とナオちゃんは見つめ合って怪訝な表情をする。


「なんだよー……姫さん、ちょっと待っててね。追い返して来るから」


「はぁい……」


体が怠い私に代わり、ナオちゃんが玄関へ行って対応をしてくれるみたい。


今は夜の21時過ぎ。一体誰よ。こんな時間にチャイム連打とか、常識ないし育ち悪すぎ。


頭の中で招かれざる客人にイライラしてると、ドアが開く音がなんとなく聞こえる。


その瞬間、お腹に響く叫び声が私の耳に飛び込んだ。


「あぁぁぁん!?」


それは、ナオちゃんじゃない、でも、私が昔から良く知っている男の奇声。


「姫子!姫子姫子!ひ、め、こー!」


そして、ドタドタと廊下からこっちへ向かってくる音が私を呼ぶ大声と共に近づいてくるのが分かった。