「尚志のロールキャベツは相変わらず絶品だぁ!お袋の味ならぬ、息子の味最高!」


「ホントねー!尚志、どこにお婿さんに出しても恥ずかしくないわ」


なんて和やかなムードで会話しながら、ぱくぱくとナオちゃんのロールキャベツを口に運ぶ広瀬夫妻。


「あの、ところで質問があるんですけど……」


「何なに!?どうしたの?何でも言ってごらんなさい!」


お母さんはナオちゃんバリのふにゃあとした笑顔。夫婦は似るって言うけど、二人共ナオちゃんと同じ笑顔だ。


「なんでお二人は私を知ってたんですか?」


私はそんな二人に、会った時に思ってた疑問を投げかけてみる。


自己紹介してないのに『姫ちゃん』『姫子さん』って呼んだから、不思議でしょうがなかったんだよね。


「ああ、それは尚志に散々自慢話されたから、なぁママ?」


「そうよー、今まで彼女の話なんかしたことなかったくせに嬉しそうに!」


嬉しいけど、恥ずかしい。ナオちゃんったら、ホントに可愛いことしてくれるんだから。