【完】キス、kiss…キス!

「はぁっ……は、っあ!」



ずっとずっと遠くまで走って、どこなのか分からない場所まで走ると、普段運動をしない私の足が悲鳴を上げて、縺れて、体のバランスを失う。


「いったぁー…… 」


膝、擦りむいちゃった。でも、自業自得だ、私の大バカ。


大粒の汗が額から、顎のラインを伝って砂浜にどんどん落ちて溶けていく。


……違う、ホントは汗だけじゃない。


「なんでこんなことなんかで泣いてるの、止まって、止まってってば!」


好き過ぎて泣けちゃうって、こんなことなんだろうな。こんなに好きなの、生まれて初めてだよ。


だけど、私はナオちゃんの同級生みたいに若くないし、不安なの。


いつかナオちゃんが私から遠ざかって行くんじゃないかって、不安で堪らないの。


こんな醜い嫉妬心、あんな綺麗な心の子に見せたらダメ。きっと傷ついちゃう。


だから、一人の今だけは、好き過ぎて泣いた涙をそのままにしたい……。