逃げるように後ろに向くと、手をガシッと捕まれた なんでなんでなんで!? 「あっ……て、手当てしたいのですが」 人の中で、この人の低い落ち着いた声だけが聞こえる。 「友達を待たせているので」 先輩の手を振り払うと一目散に会場を出た。 触れた部分が熱い…… 早く帰りたいのに志野がいない。 携帯を取り出して志野にかけても電源落としていてつながらないし 会場の入り口にいったらあの人を見つけてしまう。 お願いだから早く来てよっ!! 携帯をギュッと握りしめて会場入り口に近付く。 「……あっ」