―Side Shu―
来ない。
夕枝が、来ない――。
今日もまた、時計塔には俺一人分の影しかない。
最近は、夕枝と夕焼け時に話すのが、当たり前になっていた。
でも、それは当たり前なんかじゃなかった。
当たり前のことなんかじゃなかったんだ……。
よくよく考えろ。
俺は、彼女が来てくれなければ、会うことはできないんだ。
ただただ、この塔から見守ってやることしかできない。
俺は、鬼。
シュウは、囚で……
――囚人だから……。
来ない。
夕枝が、来ない――。
今日もまた、時計塔には俺一人分の影しかない。
最近は、夕枝と夕焼け時に話すのが、当たり前になっていた。
でも、それは当たり前なんかじゃなかった。
当たり前のことなんかじゃなかったんだ……。
よくよく考えろ。
俺は、彼女が来てくれなければ、会うことはできないんだ。
ただただ、この塔から見守ってやることしかできない。
俺は、鬼。
シュウは、囚で……
――囚人だから……。