二人ともが言葉を発さずに、しばらくの時が過ぎた。 太陽が山の向こう側へとその姿を隠した後も、残光がまだ夜には変わらない街を薄く照らしている。 その光が、浮かれた気分に変わって、悲しみに私を襲わせた。 先ほどの会話の中で、知った真実。 “シュウはこの時計塔から出ることが出来ない” それが意味するところは…… “ずっと一緒にはいられない” ということだ。