「うわっ!!」
突然、どこからか腕を掴まれ、薄暗い場所へと引きずりこまれた。
一瞬の出来事で、何が起こったのか全く分からない。
ただ遠くで、『あれ、莉奈っ?』って、真由の叫ぶ声が聞こえた。
パニクる頭は酸素不足でクラクラする。
息がしづらく、誰かに口を塞がれているんだって気づくのに、少し時間がかかった。
あまりの苦しさにバタバタもがいていると、あたしの後ろの人物が『しーっ』っと小声で言ってくる。
眉間にしわを寄せながら振り向くと、そこにいたのは――。
「蔵島恭っ……」
あたしが叫ぶと、また彼によって口を塞がれた。
鼻に人差し指を当てて、もう一度『しーっ』と言う。



