門の横に書かれていた
『太陽の家』
その奥には、お世辞にもきれいとは言えない一軒の平屋が建っていた。
あたしのこの頭では理解出来ない。
『太陽の家』
ここが、蔵島恭平の家――。
彼は、自転車を門の横に立て掛けると、両手をポケットに突っ込みながらあたしを振り返った。
「来ねぇの?」
意外な言葉に、ポカンと口を開ける。
「……えっ、いいの?」
立ち尽くしたまま答えると、彼が『はぁ?』と片方の眉を上げた。
「何しに来たわけ?」
ため息交じりにそう言うと、門を開けっ放しにして歩いて行った。
もっともな彼の言葉に、そうだよなと納得して、彼の背中に着いて行く。
門を潜り一歩中へと歩みを進めると、そこはまるで楽園のような庭だった。
緑で囲まれている庭の真ん中には白い円形のテーブルが置かれ、その横には小さな砂場が作られている。
そこにはスコップやバケツが置き去りになっていて、砂の山が2つ作ってあった。



