一球目、ストライク。
二球目、ストライク。
三球目、ストライク。
先輩のフォームはとても綺麗だった。
目を閉じると、まるであの夏の甲子園に戻ったかのように、観戦する観客の姿があたしの瞼の裏に浮かんだ。
ゆっくりと目を開け、ちょうど部室から着替えを済ませて出てきた恭平に目を向ける。
初めて目にする、恭平のユニフォーム姿。
確かに初めてだったのに、なんの違和感も感じずとても馴染んで見えた。
帽子の影から金髪が見え隠れしていて、真っ赤な眼鏡は少し不釣り合いな気はしたけれど、ユニフォームをビシッと着こなせば、まぎれもない野球部の一員だった。
たった一日だけの、野球部員。
恭平は先輩のピッチングを横目に見ながら、肩を慣らし始めた。
同じ学年の部員が、恭平のキャッチボールに付き合ってくれる。
あたしは、恭平の投げる姿をしっかりと目に焼き付けるように見ていた。
気がつけば、真由があたしの隣に来ていて、肩で突っついてきた。



