12月25日。
クリスマスがやってきた。
その頃の恭平は、ほぼ毎日視界が狭まる感じがすると言っていた。
一瞬、目の前が真っ暗になって、また光がさすんだと――。
たぶん、今日が最後だ。
あたしは、朝から笑っていた。
寒いとぼやく恭平を引っ張って、家から連れ出す。
玄関先で見送る大ちゃんも、優斗君も美穂ちゃんもとびっきりの笑顔で手を振った。
恭平は、相変わらずのぶっきら棒。
足を引きずって歩く恭平の後は、長く一直線に足跡が伸びていた。
「このクソ寒い中どこに連れていくんだ」
と、無理やり外に連れ出された恭平は不機嫌だった。
「まぁまぁ」
となだめて、腕を引っ張って歩く。
教会からのなだらかな坂道を上っていると、ほら、だんだん聞こえてきた。
賑やかに飛び交う声。
だけど恭平は、その声を聞いてもちっとも不思議にも思っていないようだった。
グラウンドに着くまでは。



