12月中旬、クリスマスが近づいた頃、あたしは恭平に呼び出された。
教会へ向かう。
もう、カウントダウンは秒読みになっていた。
足が震えたけれども、しっかり地に足をつけて雪の上を歩いた。
ぎしぎしと雪が鳴いて、長い足跡が教会へと続いた。
教会へ入る前に、ぐっと空を見上げる。
あの日に恭平が描いた向日葵のように。
「遅い」
教会のドアを開けると、恭平はすでに長い椅子に腰かけていた。
肩を丸めて、白い息を吐いている。
「ご、ごめん」
慌てて恭平に駆け寄ると、痛々しい生傷があたしの目に映った。
「恭平、その傷……」
あたしが目を丸めると、恭平は口元の生傷を手で触って顔を歪めた。
「……いって」
口の端が切れていて、紫色に腫れている。
その傷は転んでつけた傷でもないし、どこかでぶつけて出来た傷でもない。
恭平は、まだ滲んでいる血を手の甲で拭いながら、あまり口を開けずに声を出した。
「殴られた、大ちゃんに」
ふっと笑った後、また顔を歪める。



