「となったら、動くしかねぇな」
恭平がニッと笑ったかと思うと、あたしの肩に手を乗せてきた。
「案内しろ」
突然言われて、あたしは眉をひそめる。
「どこに?」
「おまえが育った町」
「なんで急に?」
「見てみてぇ。
おまえがどんな町で育ったのか」
一気に、あたしの体内に暖かい血液が戻った。
すごく嬉しくて、涙で濡れた頬が熱くなる。
恭平が、あたしの事を知りたいと言ってくれて、全身が熱をもった。
自然と笑みが零れて、先ほどよりも大きく頷いた。
次の連休を使って、あたし達は九州へ向かう計画を立てた。
2人のお年玉を集めて、なんとか新幹線には乗れそうだ。



