「やっぱり、傷深いんじゃん!」
あたしが駆け寄ると、たいした事ないと、恭平が肩をすぼめた。
先生に傷の具合を聞くと、二三日もすればすぐに治るでしょうと言われ、恭平が鼻を鳴らした。
保健室を後にして、二人で肩を並べて歩いた。
時々腕をさする恭平を横目で見て、また、下を向く。
無言で廊下を歩き一年生の校舎に着いた時、恭平が教室とは逆の方へと体を向けていた。
振り返ると、顎で階段を指し『ちょっと、付き合え』と、階段を先に上って行った。
着いた先は、屋上前の階段。
恭平の背中を見ながら、所在なく佇む。
また、恭平が腕をさすった。
「――痛むの?」
静かに声を出すと、恭平はさする手を素早く引っ込め、くるりと振り向いた。



