「そんな、世の中終わりみてぇな顔して。 いざとなりゃ、俺がいるじゃん」 俯いたまま顔を上げないあたしに、彼が優しく声をかけてきた。 なんだろう。 この言葉――…。 まるで、この一言で魔法が掛かったみたいに、心が晴れた。 静かに頷くと、彼が乱暴にあたしの頭を撫でてくる。 蔵島恭平。 こいつ、 やっぱり、不思議な奴だ。