『バイト仲間』という、あたしと結崎さんの共通点が切れる日まで、刻一刻と迫ってきた。


バイト中は思い出さないようにと心に決めていたものの、いろんなところで結崎さんの名前を目にして、泣きそうになった。




そして……―――



いよいよ今日が、結崎さん最後の勤務日。

シフト通りあたしは休みで、携帯電話のメモにかけた僅かな願いも叶わないままだった。



―――人生、こんなもんだよね。



たったひとつの願いも叶わず、うまくいかない現実。

現実ってものはここまでうまくいかないものなんだなって、逆におかしくなる。



好きな人と会える最後のチャンスの日。



何かしら用事をつけて会いに行くわけでもなく、あたしはアパートで淡々と夕食の準備をする。

お米を研いでいるとベッドに置いていた携帯が鳴った。