「……好きじゃないわよ」



何十回、何百回と、そう否定しても、



「ウソ。あたしには分かるんだから」



と決して引いたりしない。

単に、あたしが分かりやすい性格をしているだけなのか…。



「……好きよ」



あたしのその言葉に、諒子はスープを飲み干したうどんの丼を静かにテーブルに置いた。



「だけど、結崎さん、彼女いるよ?」

「うん、村岡くんから聞いた」

「そっか」



沈黙が流れる。

あたしはデザートのプリンをスプーンで弄びながら口を開く。