*遼太郎*
小さい頃からずっと一緒だったのに。
何かと俺を助けてくれたのに。
結局俺は、何一つとして、永輝くんの役に立てなかった。
でもさ、役立たずのままで終わりたくなかったんだ。
永輝くんの死を受け入れることができずにいた僕の目の前に、ある日突然現れた男子高校生の晶。
柚羽さんと永輝くんのことを聞いてきた晶を最初は疎ましく思っていたのに……。
何の取り柄もなさそうな平凡なガキのくせに、意外にも晶は俺を助けてくれた。
「……結崎さんの……イトコ?」
「……はい」
柚羽さんの友達で、永輝くんとはかつてバイト仲間だった二人。
柳諒子。
村岡慎也。
この二人と僕の間には全く接点がなくて。
しかも永輝くんが昔バイトしていたコンビニは閉店されていたから、何の手がかりもなかった。