真夜中の太陽


すべてが解決して、あたしと永輝は一緒に住んでいて。

あたしの作った朝ごはんを食べ終わった永輝を玄関で見送った。

玄関先で交わした幸せなキス。

それが現実であるのだと信じていたのに……。



『永輝っ!』



幸せなひととき。

結局は夢の中での出来事だったんだ。



目が覚めた時に、自分がベランダから落ちてしまったこと、もうこの世に自分が存在しないことを忘れていた。

ただ、永輝との幸せな夢から覚めただけなのだと思っていた。


国道で耳にした、永輝らしき人が死んだという事故。

それは別人だと、何度も自分に言い聞かせながら目にした永輝の事故死を知らせる新聞記事。

それを見ていたあたしの視界に、もうひとつの小さな記事の見出しが入ったけれど……


永輝のことで頭がいっぱいになっていたから目を通さなかった。


覚えている……あの記事……



『女子大生、アパートから転落死』