生まれて初めてだった。
誰かに殴られたこと。
そして、あたしが生きていることで、誰かを苦しめていること。
あたしが死んだら、永輝もかんなさんも苦しみから解放される?
かんなさんはリストカットしなくて済むの?
永輝はかんなさんだけを見てくれるの?
………あたしの、気持ちは?
永輝に会いたいという気持ちは許されないの?
―――ザーッ……
雨が降り出した音が聞こえてくる。
『……洗濯物、入れたら?』
レースのカーテンから透けて見えるベランダの洗濯物を見て、かんなさんが話を中断する。
あたしは涙を拭うと、無言でベランダに向かった。


