あたしはとても意地っ張りだ。

頭も心も、我を忘れるくらいにぐちゃぐちゃになってしまっているのに。

晶くんには、永輝の死を受け入れてすっきりしましたという態度を取った。


永輝と過ごしたアパート。

帰り着くと、いつものように永輝の幻覚を見てしまう。



『柚羽』

「……永輝……。本当に死んだの?」



あたしの問いに、永輝は答えない。

ただ静かに笑うだけで、その姿はスッと消えていく。



「永輝……。かんなさんと結婚するはずだったの…?」



一人ぼっちの部屋でそう呟くあたしは、完全に永輝の死を受け入れることができない。


テーブルの上に置かれた灰皿。

永輝がいつも使っていた。