永輝とかんなさんがどういう関係なのかは分かったけれど、あたしと永輝の関係は曖昧なままだった。
キスの意味も、あたしの部屋に来る理由も、『愛情』の真相も何も分からなかった。
「柚羽ちん、今度、飲み会しねぇ?」
「飲み会?」
「あぁ。最近、柚羽ちん、ヤバイじゃん?」
「ははっ。確かにヤバイね」
バイト中に、村岡くんが突然切り出す。
あたし宛ての名指しのクレームは未だにきている。
「でもさぁ、柚羽にくるクレームって、なんっかおかしいよね!」
今日は店長が出張中で、絶対に店には顔を出さない日。
それを知った公休の諒子は、あたしが出勤してすぐに店にやってきた。
お客さんのいない店内で、あたしたちは輪になって立ち話をしている。
「あんた、本当に心当たりないわけ?はっきり言って嫌がらせっぽいよ?」