「よく状況が分からんけど、その女の子は相手のことが好きなんだと思うけどなぁ」

「……そうよね」



それはあたしも感じていた。

実際に、かんなさんという人と会ったわけじゃないけれど、永輝の話から、かんなさんは永輝を好きなのだと思った。


………だけど。


あたしが一番知りたいのは、永輝のかんなさんに対する本音。

そして、二人の関係。

永輝の曖昧な説明だけじゃ分からない。



「沢井さん、ちょっと」



バックルームで事務作業をしていた店長に呼ばれる。

店長の渋い表情に嫌な予感がする。



「君に対してクレームがきてるんだけどね」

「えっ?」