桜坂さんは階段の途中にある窓を、風通しを良くするために、いつも少しだけ開けていました。

階段の途中の窓は小さくて外から見ると高い場所にあるので、空き巣も簡単には入れないだろうと、雨の日以外は、いつも少しだけ開けているのです。

マシュが自分のいつも食べている食事を袋に詰めようとすると、食事皿の横に封を開け洗濯バサミで閉じているキャットフードの袋が目に入りました。




「ちょうどええがな、これ」




マシュは、そのキャットフードの袋をくわえました。

そして階段の途中の窓まで行くと、窓から外へ落としました。

マシュは窓から外に向かって




「トミとソラちゃん、気いつけて帰りや」

「がんばんねんで・・・」





トミとソラは

「マシュさん、ありがとうございました」

「私たちは、ただちに帰って、みんなに伝えて準備をします」

マシュに答えると、落としてくれたキャットフード入りの袋をくわえ、猫谷村へと帰って行きました。