その後の話によると、かっちは偶然を装って塁くんに会うために、北高の前を何往復もしていたらしい。

数分間それを続けていると、かっちの願いが届いたのか、塁くんが現れた。

塁くんはかっちに気づくとにっこりと笑いかけてくれたらしい。



「あれ、よく会うな!」

「偶然だな!ということでコレを…」



そこでさっそくかっちは握りしめていたチケットを差し出す



「ん?何?」

「学祭のチケット…だ。」

「え、俺なんかもらっていーの?
そんな関わりないけど
あ、俺なんかよりしょーやんとかにさぁ…」










そこで、かっちの話が止まる。



「それからそれから!?」



いい所で話を止めたかっちに、志乃が続きを急かした。



「……ちゃんと渡した」

「なんだやるじゃんかっちー!!!」



志乃はバシバシとかっちの背中を叩き、話を聞いて満足したのか二人は向こうへ行ってしまった。