旦那さんはいろんな星座を知っているだろうから、優菜さんも詳しいのかな……。
「旦那さん……、プラネタリウムで働いているんでしょ?」
俺がそう訊くと、一瞬、空気がピンと張り詰めたのを感じた。
しばらくの沈黙のあと。
優菜さんは「うん」とだけ、答えた。
……ひょっとして、旦那さんの話はタブーなのか?
当たり障りのない質問だったのに、とんでもなくいけないことを訊いたような気がした。
ほんの少し離れたところに座る優菜さんは、口をつぐんだまま、ただ夜空を見上げているだけ。
どんな表情をしているのかまでは見えない。


