増田の尋常ではない慌てぶりと。 “来た”と何度も言いながら、ホールのほうを指さすしぐさ。 クレームじゃないことは、それではっきり分かったのだけれど…… 「なにが来たんだよ」 「あのっ、あの子!」 「はあ?」 「料理長を捜し回っている、例の中学生!」 あ…… すっかり忘れていた。 そういう子がいたってこと。 増田には悪いけど、ようやく思い出す。 「名前は?」