†Orion†



「……たいよ……」


「え……っ?」



小さな手で涙を拭いながら、奈緒ちゃんは言う。



「パパに……会いたい……っ。なんで……っ、パパいなくなっちゃったの?」


「奈緒……」


「もう……パパと一緒にここに来れないの……?」



この遊園地……

かつて、浩平さんも一緒に来たんだ……。


普通に考えれば、ありえることだ。

優菜の実家の近くにある遊園地。

帰省したときに家族で来たことくらい、分かっていたはずなのに。


それが……奈緒ちゃんの傷を深くしてしまうなんて。