「明日から店に戻ってくるんでしょう?」



プシュッ、と、プルタブを開ける軽快な音が部屋中に響く。

その音で我に返り、俺は優菜さんの隣に置かれたスツールに腰を下ろした。



「……その前に、ちゃんと話しておこうと思って。他の人から聞かされるよりも、あたしから直接話したくて、雅人くんを呼んだの」


「……引っ越すんですか?」


「うん。浩ちゃんと離婚したの」



あっさりと、それを認めた優菜さんに、俺は言葉をうしなう。



「来月いっぱいでここを引き払って実家に帰るの。奈緒たちは一足先に実家に帰したの」


「……離婚って……いつ……」


「二週間くらい前かな」


「なんで……。奈緒ちゃんたちは……」