あれは、正式に採用された直後のことだった。
“四月からは、このスケジュールで勤務してもらうぞ”
料理長が差し出した、一枚の紙切れ。
それは、四月からの俺のシフトだった。
“なん……ですか、これ……”
そのシフトに、思わず息を呑んだ。
それは、日替わりで、いろんな店舗をハシゴするシフトだった。
これまでいた店での勤務は一日たりともない。
“いろんな店に行って修行してこい。忙しい店もあれば、暇でしかたない店もある。違うタイプの店に対応できるようになってこい”
“……料理長。修行が終われば、またここに戻ってこれるんですよね?”
俺がそう訊くと、料理長は目を細めて言った。


