この仕事に就いた理由なんて、とても不純だ。
親父が言うように、“社員になってでも”やりたいと思ったからじゃない。
ただ、優菜さんのそばにいたかっただけ。
本当の理由を知れば、親父、きっと憤慨するんだろうな。
弘美は旅行会社に就職して、国内旅行のツアコンの研修中だ。
たまに旅先から、観光地の画像を添付したメールが届く。
そして――……
優菜さんは、今もホールで、優しい笑顔を振りまきながら働いている。
……に、違いない。
俺は今、彼女の笑顔を見ながら一緒に働いていない。
その理由は、俺が、優菜さんと同じ店にいないからだ。


