「ごちそうさまでした」 思考をフル回転させていると、そんな声がして、杉浦さんが弁当箱を片付けていた。 この後は更衣室に篭って、化粧直しするんだ。 そして、そのまま “お先に~” なんて言って、仕事に戻ってしまう。 仕事以外のことで話をしたのは初めてだ。 もっと仲良くなりたい。 いろんな話をしたい。 ――ガタンッ! 勢いよく椅子から立ち上がった俺に、杉浦さんはビクッと身体を震わせた。