†Orion†



翌日の土曜日は、めずらしく早く目が覚めた。

目が覚めた、と言っても、眠った感覚はほとんどない。

これから先のことを考えていたら、ろくに眠ることもできなかった。


ファミレスの社員なんて、あんなに拒んでいたくせに。

優菜さんのそばにいたくて、あっさりと決断してしまった。

優菜さんが、この先ずっと、あの店で働く保障なんてどこにもないのに。



彼女は、主婦だから――……

もしかしたら、第三子を授かって辞めてしまうかもしれない。

もっと時給のいいパート先を見つけて、そっちに行ってしまうかもしれない。



いつか来るであろう別れの日。

それを迎えたとき、俺と優菜さんの関係はどうなっているんだろう。



現状のままなのか。

それとも、少しは親しくなっていて。

離れていても簡単に連絡が取れたり、気軽に会えるような関係になっているのかな――……