“正当な志望動機” “パートさん” 「まさか……」 料理長は、気づいている……? 優菜さんに対する、俺の気持ちに……。 料理長が敢えてはっきりと言わなかったのは、きっと、優菜さんが既婚者だからに違いない。 彼は、釘を刺したんだ。 パートでもある優菜さんと、正社員になろうとしている俺。 その立場をわきまえろ、と。 正社員になったら、私情抜きに仕事をしろ、と。 ずっとそばにいられるのなら、そのくらいたやすいことだよ――……