†Orion†



――やっぱり、俺と優菜さんにはハッピーエンドなんてやって来ない。


平然と言い切る弘美の言葉を聞いて、改めて思い知らされる。



「……そうだな」



こんなにも優菜さんを思っているのに。

いつかはあきらめないといけないんだ。


ずっとずっと思い続けても、キスを交わしても。

俺がたどり着く先は、優菜さんじゃない。

きっと、違う誰かなんだ――……



弘美が言ったように、“友達”としてずっとそばにいることも、選択のひとつだ。

優菜さんとこれ以上の進展がないのなら、それを選ぶのもいいかもしれない。