それは私が寝坊して
いつもの電車に
乗り遅れそうになった
ときのことです。


いつも彼の乗っている
車両の隣の車両に
乗っていたのですが

ドアの閉まるベルの音に
あわてて彼の乗っている
同じ車両に
乗ってしまったのです。



私は彼を電車の中で
見つけたときに
びっくりしました。



慌てていたから同じ車両だ
ということに
気づかなかったのです。

でも電車は走り出しているし
満員で車両移動も難しいし
どうしようもありません。


私は彼に気付かれないよう…
そればかり考えていました。



そのとき電車がカーブに
差し掛かり
グラッと揺れました。