彼を困らせてはいけない。 私は精一杯の声を 振り絞って 「違うんです…いいです。 私もういいですから」 やっとの思いでそう言いました。 「いや、俺もそんなに 急いで買わないといけないって わけでもないから。 あ、とりあえず店員さんに 在庫あるか聞いてきます」 彼はそういい残すと慌てて店員さんを探しにその場を離れました。