そして

思い出すのは

あの日。





彼と楽しそうに話をしていた彼女。

彼の隣にいる彼女。

「彼女がいる」

と思うことによって
それによって

諦めきれていないという
自分の考えを消して
しまいたかったんです。

私のこの気持ちは
きっと彼にとって
迷惑なものだから。


「もう!愛乃がそれなら
それでいいけどね。
でもいい加減、元気になってや」

麻友はまだなにか言いたげでしたが

ためいきの後、苦笑いしながら
私に言いました。