<短編集>僕らが君を好きな理由【更新停滞中】


「木原、ちゃんと手当してもらえよ。」


コートを囲むフェンスを抜けるとき、監督が俺にそう言ったのが聞こえた。だけど、もうどうでもいい。
監督の声をシカトして歩き出す。


「寿也君!手当てするから、そこに座って?」

「うっせーな、ほっとけよ!!」


1つ上のマネが俺の手を引いて促してくるけど、今の俺にとってはウザいとしか感じられない。ってか痛いから離せ。

掴まれていた手を思いっきり振り払った。