「だっていつも冷めた感じだったから。それこそ、去年のあたしのように、ね。まぁ、だから何かあるんだな、と思ったワケだけどさ。」 そして大崎先輩はまた、ゆっくりと視線を空に投げた。それにつられるように俺も空を見上げる。 …もう、青空に虚しさは感じない。 不思議なほど、清々しい気持ちになっていた。 「大崎先輩。」 「ん?何〜?」 「俺、教室戻ります。…色々、ありがとうございました。」 つながれた手から、たくさんの勇気をもらった気がしたんだ。