<短編集>僕らが君を好きな理由【更新停滞中】


“晴れの日は屋上で昼寝に限るよなー。先生も来ねーし、あそこはサボリのためにあるんじゃね?”


後輩に対しては、決して喜ばしくない内容。でもその言葉を思いだした俺は、躊躇うことなく屋上に足を向ける。

もうすぐ授業が始まるってのに、教室と逆方向に向かう俺に声をかける奴なんていない。ま、その方が好都合なんだけど。

ひたすら薄暗い階段をのぼり、重そうな鉄製の扉の前にたどり着く。ノブに手をおくと、ひんやりとした感触が伝わってきた。

ゆっくりとノブを回すと、ギギーッという鈍い音が響き、同時に明るい光が俺を包む。まばゆい光に数回瞬きをすると、そこには青々とした空が広がっていた。