ほとんどがエスカレータ式で上がってきた奴ら。そのため、クラス内ではすでに、仲のよいグループというのは成立しており、外部の俺が図々しく踏み込むのは気が引けた。
もともと外向的ではなく、誰とも話せぬまま時間だけが過ぎていく。
あぁ、ダメだ…。
アウェーな環境、自然とネガティブ思考になる。どうしても他人と自分を比較し、自分の劣等感にさいなまれた。
決して貧しいワケじゃなく、どちらかといえば裕福なのであろう自分の家。それでもやはり、凌葉のきらびやかさについていくのはツラかった。
“一匹狼”
それが、確立した俺のあだ名。

