一通り俺が話し終えた頃、彼女は「そっか…。」とつぶやき、ゆっくりと席を立った。そして俺の横に屈み目線を合わすと、優しく頭をなでてくれる。
「渡部君は渡部君でしょ?だからもう、偽らなくていい。渡部君も自分らしく、ありのままでいればいいんだよ。」
「ありのまま?」
「そ。さっきも言ったように、愛想笑いとかする必要はない。今みたいに、自分の感情を自由に表現すればいいじゃない。」
大崎先輩の優しい笑みが俺を包む。
自分の感情を自由に表現?
昔から他人には愛想良く接しろと言われてきた俺にとって、初めて言われた言葉だった。

