「寿也、どこ行くの?」 「その怪我ちゃんとしなきゃダメだろ?」 後ろからかけられる、先輩たちの俺を心配する声。それらも全部ウゼぇ。とにかくウゼぇ。今の俺にかまうんじゃねぇ。 とりあえずコート周辺から離れ、誰にも見つからないであろう大木の陰に腰掛けた。 ムシャクシャしてどうしようもない気持ちは、ただモヤモヤと俺の中でうごめいている。 あー……。 マジ、やりきれねぇ。