「いや、あんな店に出入りしたのは俺が悪い。理由は関係ないよ、本当にゴメン」

「あやまらないでよ!余計に惨めじゃない。他の女が良いって言えばいいじゃない」

拓海を責めているうちにドンドン惨めになる。

こんな事が言いたいんじゃないのに……

「そんな事ないよ。利那を愛してる」

「嘘……晶ちゃんの方が大事なくせに」

「晶は妹じゃないか、比べる次元が違うよ。女として愛してるのは利那だけだよ」

利那に責められ困り果てている拓海への申し訳なさと自分への嫌悪感が頭を駆け巡る。

それでも、どうしようもないほどの訳の分からない怒りが自分を制御出来なかった。

「私の事なんか本当は好きじゃないくせに……どうして結婚したのよ!離婚してよ」